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「相互尊重」を基盤とする敬語使用

敬語は,人と人との相互尊重の気持ちを基盤とすべきものである。
言葉は時代とともに変化する。敬語も,社会や人間関係の在り方,言語を用いる場面についてのとらえ方が時代を追って変化するのに応じて,その役割や性格を変化させて現代に至っている。身分や役割の固定的な階層を基盤とした,かつての社会にあっては,敬語も,それに応じて固定的で絶対的な枠組みで用いられた。
これに対して,現代社会は,基本的に平等な人格を互いに認め合う社会である。敬語も固定的・絶対的なものとしてではなく,人と人とが相互に尊重し合う人間関係を反映した相互的・相対的なものとして定着してきている。前に例示した「敬い」や「へりくだり」という敬語の意味合いも,身分などに基づく旧来の固定的なものでなく,相互尊重の気持ちを基盤とした,その都度の人間関係に応じたものとして,現代社会においても当然大切にされなければならないと理解すべきである。
上述の「基本的に平等な人格を互いに認め合う」あるいは「人と人が相互に尊重し合う人間関係」とは,人が社会の中でそれぞれに持つ様々な立場や役割の違いの存在を無視して言うものではない。年齢の違い,経験・知識・能力などの違い,あるいは社会集団の中での立場の違い(例えば,先輩と後輩,教える側と教えられる側,恩恵や利益を与える側と受ける側など)や階層(例えば,会社の中の職階)などが存在することを前提とした上で,さらに,これらに基づいた様々な「上下」の関係が意識されるものであることを前提とした上で,人と人が互いに認め合い,互いに尊重し合う関係に立つことを,ここでは「相互尊重」と呼んでいる「相互尊重」とは,年上の人,先輩,上司,教えてくれる人などに対して,年下の人,後輩,部下,教えてもらう側の人が,敬いやへりくだりの気持ちを持つ場合だけでなく,逆に,年下の人に対して年上の人が,後輩に対して先輩が,部下に対して上司が,教えてもらう側に対して教える側が,それぞれ,相手の立場や状況を理解したり配慮したりする場合をも合わせたとらえ方である。
この「相互尊重」という敬語の基盤は,既に昭和27年の国語審議会建議「これからの敬語」の「基本の方針」の条において「これからの敬語は,各人の基本的人格を尊重する相互尊敬の上に立たなければならない」と将来に向けて示されたところと共通する。
さらに,時を経て平成12年の「現代社会における敬意表現」において「敬意表現とは,コミュニケーションにおいて,相互尊重の精神に基づき,相手や場面に配慮して使い分けている言葉遣いを意味する」として,そのような基本認識が定着していることを踏まえて記述されたところとも共通する。今回の指針においても「相互尊重」ということの意味・内容を再確認した上で,改めて,将来にわたって敬語が相互尊重の気持ちを基盤として使用されるべきものであることを明示しておく。

このページは、文化庁文化審議会の答申「敬語の指針(PDF)」を基に作成しています。

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・贈答の手紙 ・お祝いの手紙 ・お礼状 ・お見舞い状とその返事 ・案内、招待、勧誘の手紙 ・通知、挨拶の手紙 ・年賀状、寒中見舞い、残暑見舞い、クリスマスカードなど

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・依頼文 ・依頼、勧誘を断る返事 ・催促、苦情、抗議等の通知 ・詫び状 ・照会、お問い合わせなど

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・結婚に関する手紙、縁談の申込、断り方 ・葬儀に関する手紙、喪中欠礼など


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