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世代や性による敬語意識の多様性
言葉遣いや言葉についての考え方は,世代によって,あるいは性によって異なる場合が少なくない。敬語の使い方や敬語についての考え方もその例外ではない。 例えば「植木に水をあげる」と言うか「植木に水をやる」と言うかについて,文化庁
「国語に関する世論調査(平成18年2月調査)においては「あげる」と言う男性回答者の割合は,10代・20代では30~40%台であるのに対して,50代・60代以上では5~10%台であって世代による違いが見られる。同じ質問について女性回答者は,多くの世代において「あげる」と答えた人の割合が男性より高いが,同時に男性と同様の世代差も見られる。また「ふだん「弁当」という言葉に「お」を付けるかどうか」について「お弁当」と言うと回答した人の割合は,すべての世代を通じて,男性は10~30%台にとどまるのに対して,女性はすべての世代で約70~80%台の高い割合である。 こうした敬語の使い方についての世代や性による違いに関して,本指針は以下の2点を指摘する。
一つは,敬語の使い方の違いには,その敬語についての理解や認識の違いが反映していることを考慮すべきだということである。例えば「植木に水をやる」を適切な言葉として選ぶ人は「あげる」に謙譲語的な旧来の意味を認め「植木」はその種の言葉を用いるべき対象物ではないと考えている可能性がある。一方「あげる」を使うと答える人は,この語の謙譲語的な意味が既に薄れていると考え,同時に「やる」という語に卑俗さ・ぞんざいさを感じてこれを避けている可能性がある。現代は,この二つの考え方が言わば拮きっ抗している時代であろう「植木に水をあげる」という場合の「あげる」は,旧来の規範からすれば誤用とされるものであるが,この語の謙譲語から美化語に向かう意味的な変化は既に進行し,定着しつつあると言ってよい。 敬語の使い方や意見の異なりを考える際,例えば「あげる」と「やる」についての理解や認識にこうした違いがあるように,それぞれの使い方や意見のよりどころとなっている別の理解や認識があること,つまり,自分自身とは異なる感じ方や意見を持つ人が周囲にいることに留意する必要がある。
もう一つ,より重要なこととして,前節で示した「自己表現」という観点から言葉遣いを自ら選ぶ姿勢を持つこと,同時に,他者の異なる言葉遣いも,その人の「自己表現」として受け止める姿勢を持つことに留意したい「植木」をいつくしみ育てる気持ちは「あげる「やる」のいずれによっても表現される。別の例とした「お弁当」の「お」を添えるか添えないかについても,話し相手に向けて自らの言葉遣いをどのように整えたいかという気持ちから「自己表現」として選ばれる。このように,敬語を選んで使おうとする際に,例えば「男性(女性)だから○○のように言うべきだ。」「20代の若者は○○と言うべきだ」というように,男女の違いや世代の違いなどによって画一的に考える態度は避けるべきである。 以上のように,世代や性によって敬語の使い方や考え方に違いがあることについては,一つ一つの言葉遣いを敬語使用の現状や現代の規範に照らして,吟味しながら受け止める姿勢が必要である。同時に,敬語を,世代や性による画一的な枠組みによるのではなく,「自己表現」として選ぶという姿勢や工夫も必要である。
このページは、文化庁文化審議会の答申「敬語の指針(PDF)」を基に作成しています。
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手紙・挨拶文の文例その② ・依頼文 ・依頼、勧誘を断る返事 ・催促、苦情、抗議等の通知 ・詫び状 ・照会、お問い合わせなど
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